学会発表による互いの心境変化


彼の学会発表を見学した。といってもポスター発表。
説明をして、質問の受け答えしている様子を少し離れてニヤニヤ見てしまった。声がよく通るひとなので、離れていても説明が聞こえてくる。
私も前から一通り解説はうけているので、なんとなく、大枠はわかる。
説明の様子や、受け答えの様子などみていて、うーんこの人はこういう場所では活きるよなあと思っていた。
もしかしたらこの人にとって、最後の学会発表となるかもしれないんだよなあ、と思うと本当にそれで彼にとっていいのかなあと、悩んでしまう。
私のほうはそのように、学会の様子をみたことで、アカデミア残留に少し天秤が傾いていたのだけれど、
その逆に、彼は、今回の学会でさらにこの業界への気持ちを薄くしたと語っていた。
まず、自分の説明のしかた、質問の受け答えとも気に入らなかったようで、D3としては、もっとできてもよかっただろうとのこと。まあでもこれはあまり重要視していなかった。
重要視していたのは、発表を見ても面白いとか興味深いと感じることがほとんど減ってしまったということだ。
確かにこれは大問題で、こういう業界の人生の不安定さや社会的不確かさそれらがあってもそれでもこの道を歩むというのは、なんと言っても「面白いから」が原動力だろう。
それが不確かな状況で、かつ、収入や立場の不安定さもあるとしたら、これは疑問である。
また、彼は学会で学部時代の同級生と再会したようだが、その人も同じようなことで悩んでいたようだ。
しかも状況は彼よりも明らかに悪く、今の時点で論文にできるような成果は全然なく、ラボの方針で学会発表も許されず、だとか
その他にもまあいろいろ厳しいのだ・・・。私も聞いていてすごく閉塞感をおぼえた。その人は今相当真剣に考えないとまずいだろうなあという感じ。
しかもラボのボスには絶対相談できないような状況のようで、それも大変そうだ。
そう思うと、彼にはボスだとか親だとか友人だとか、沢山相談にのってくれる人がいるわけで、恵まれいるのかもしれないなあ。



そんなわけでアカデミア脱出にだいぶ心境が傾いているようですね、彼は。
発表の様子は生き生きしているように見えたんだけどなあ・・。
まー、プレゼンで人に説明するのが得意だとか楽しいというのであれば、それを活かす道はほかにもあるかもな


学会では私の分野に関係のある発表もいくつかあって、なかなか興味深かった!